ただ貧困層といっても、アフリカと違って自然が豊かな為、熱帯の田舎にいけばバナナがそこら中にあって、海で糸を垂らせば魚が釣れて、基本的に「飢え」はないように思えます。政府反対デモがあると、低所得層の人たちが「我々は飢えているんだ!」と空鍋を叩きながら叫び歩く集団がありますが、太っちょの人ばかりです。脂っこいものなど不健康な食品の方が安いので、そうなってしまうのもありますが、ガリガリに痩せた人はあまり見ません。ちなみにこういう集団は、野党勢力から日給をもらってデモする場合が多いです。
いずれにしても、金持ちが幸せとは限りません。
当地では、低所得層の人たちは、家族や友人たちと毎日ゲラゲラ大笑いで楽しそうにしていますが、お金持ちの人たちが、そんなに心底楽しそうに笑っているのを見たことがありません。口だけ笑って、周囲を気にした目をしていたり、お金持ちの奥様たちも何故か皆いつも不満気な顔をしていて、お金持ちのお子様たちも、田舎や下町の子供達のように、暗くなるまで楽しそうに泥だらけになってサッカーなどしないで、部屋に閉じこもってゲームとかしています。
お金持ちの旦那さんも、出来の悪い従業員にイライラしてストレスがたまっていますし、旦那さんは奥さんが、奥さんは旦那さんが、浮気をしているんじゃないかと疑心暗鬼の毎日か、浮気がばれないかヒヤヒヤの毎日です。それに、お金があればあるほど、家に強盗が入らないか、車が盗まれないか、いつも心配する必要があります。
高級住宅地に行くと、通りを歩くのは使用人だけで、住民は皆車で移動するので、道はがらんとしています。低所得層が住む地区だと、家族そろって通りを歩いて散歩していたり、よろずやみたいな店でプラスチックの椅子に座って、友人たちとビールを飲みながら、店のテレビでサッカー観戦してワイワイやっているのが、そこらじゅうで見られます。自分が貧しくても、近所も皆貧しいから、貧しいことはあまり気にならないようで、お金は欲しいものの、お金持ちのような豪邸に住んでお金持ちのような生活をしたいとも、あまり思っていないようです。またこういう層の人の方が、人情もあります。江戸時代の下町みたいなものでしょうか。お金持ちのパーティーでは、社交辞令の会話と、陰のひそひそ話があちこちで見られて、低所得層の人たちのように大口あけてゲラゲラ笑おうものなら、その場で一斉に皆の注目を浴びてしまいます。
やっぱり、お金イコール幸せとは限らないことを、こちらの生活では気づかされます。
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