昨日こんな夕陽を見ながら帰宅したら、トランプ大統領とバイデン前副大統領の初回のテレビ討論会をやっていました。多分ほとんどの国で注目されたのかと思いますが、史上初のカオス状態だったと、日本でも中南米でも報道されています。最近米国では米国民全体が、あちこちでデモが起こったりカオス状態になっているようなので、それを反映しているのではないでしょうか。
全部は見ていませんが、トランプ大統領 vsバイデン前副大統領の 討論会では、お互いに相手の言葉をさえぎって、ひどい場合は二人が同時にしゃべっている場面が何度もありましたが、これはこちらでは日常茶飯事です。人の話をさえぎる、というのは日本では失礼にあたりますが、こちらではそうでもしないとなかなか人の話の輪に入れません。会社の会議でも、人の話を聞かずに皆が一斉にしゃべる場面が出てくるのは普通で、慣れない日本人は会議が白熱していると感じるようですが、必ずしもそうではありません。
テレビの討論番組でもこうした場面がよく見られますが、テレビであれば皆が一斉にしゃべりだしても、カメラマンが誰かにカメラを向けると自然とその人だけがしゃべるように落ち着きますし、視覚的に何が起こっているのか理解できます。が、車を運転しながらよく聞くラジオ番組でこれをやられると、もう何が何だかわかりません。
海外で初めて勤めたスペインの会社では、社内通訳をしていたのですが、会議でスペイン人が一斉にしゃべりだす場面がしょっちゅうありました。誰が言っていることを会議に参加している日本人に訳せば良いのかわからず、必然的に私が、「ちょっとすみません、順番にしゃべってくれませんか。はい、あなたから。」と、会議の進行役まで務める羽目になっていました。
こちらの人は、なぜ人の話を最後まで聞かないのでしょうか。
私はこちらの人に日本語を少し教えるとき、まず最初に、日本語は動詞(結論)が最後にきて、しかも否定文なのか肯定文かを判定する、英語のNOにあたる単語も一番最後にくるから、人の話は最後まで聞かないと意味がわからなくなるわよ、と言っておきます。そもそも文法構成が違うのですね。
英語もスペイン語も、動詞は文の最初の方に来ますから、都度結論を先に言って、説明部分を最後にもってきます。日本語の場合は、先に説明が来て後に結論がくる文法構成です。なので日本人は、ちゃんと相手の話を最後まで聞くように思考回路がセットされているのですね。
海外に慣れて、英語が達者な日本人の方は、思考回路も外国語用にセットして、日本語でも、「~なんですよ。というのはね、。。。。」というようにしゃべってくれるので、通訳が楽です。が、普通はやはり、したのかしなかったのかも含めて、結論が文の一番最後に来るので、同時通訳は基本的に無理なのではないでしょうか。英語とスペイン語だったら、見事に同時通訳が出来ますが。
私は中国語は出来ませんが、昔学校の科目にあった漢文で、確か意味が分かるように返り点をうって語順を変えていませんでしたっけ?中国語の文法構成は、英語と似ているのだとすると、中国人と日本人も、思考回路が違っていて当たり前のような気がします。
こちらの人と会話していて、人の話を思い切ってさえぎって、自分の言いたいことを言えるようになると、語学が上達したと実感できます。
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