私はこれまで、日本でも海外でも制服のある会社に勤めたことはなかったのですが、メキシコで勤めている会社は製造業(自動車産業)なので、制服があります。日本で製造業の会社に勤めた経験がないので知らなかったのですが、製造業では社長も管理職も、経理や人事などの管理部門のスタッフも、皆同じ制服を着るのですね。
うちの会社は全員、濃紺のポロシャツと黒のズボンで、製造現場では同じ濃紺の帽子をかぶります。この制服を作ってくれる業者を探すのが結構面倒で、業者は沢山あるのですが、色落ちが激しい素材を使うところや、縫製が雑なところなどが多く、何度か業者を替えました。
最近、勤続年数も長くなってきた従業員も増えてきたので、といっても離職率が異常に高いメキシコでは2年勤続するともう表彰ものなので、1年以上勤めた社員には、ポロシャツではなく濃紺のボタンダウンのシャツを支給することにしました。
発注して一ヵ月後の昨日、その制服が新しい業者から届いたのですが、個別に名前入りの箱で、届けてくれました。ポロシャツも予備として継続するのですが、人によって例えばAさんは「男性用長袖シャツM2枚、男性用半袖シャツM1枚、男性用ポロL2枚」、Bさんは「女性用長袖シャツS3枚、女性用半袖シャツS1枚、女性用ポロM2枚」というようにばらばらなので、配るのに面倒だと思っており、とても嬉しい計らいです。
早速配ったら好評で、特に管理部門の、普段大人しい経理補助の女性などは、受け取るなりトイレに駆け込んで試着し、「どう?似合うかしら?」と事務所に見せに来て、ちょっとびっくりです。やはり女性は、「新しい服」の嬉しさは格別ですね。女性は必ずと言ってもよいかと思いますが、買ってきた服は家に帰ってまず全部広げて、試着を始めます。手持ちの服と合わせて着てみたりもして、一度に何着も買った時などは、この儀式だけで小一時間かかることもあります。
この普段大人しい経理補助の女性は、田舎の親戚の集まりに必ずいる地味な叔母さんに似ています。陽気に騒いでいる他の叔母さんたちに時々微笑んで相槌をうちながら、黙々と料理の配膳とかしている叔母さんです。木細工の民芸品が有名なミチョアカン州の田舎出身で、米国に出稼ぎに行っていた両親が帰国して田舎に帰った時に、木でできたこんな砂糖壺をお土産にくれました。下の写真の、サボテンの葉入りスープの後ろに写っているものです。
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