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男性名詞、女性名詞、ダイバーシティ



ご存知と思いますが、スペイン語を始め、フランス語やイタリア語などラテン系の言語には、日本語にも英語にもない、男性形と女性形があります。名詞は必ず男性名詞と女性名詞に分かれていて、英語のTheにあたる定冠詞も、男性用と女性用とあります。形容詞も男性形と女性形とあって、自分に対して使う時は、男性だったら男性形の形容詞、女性だったら女性形の形容詞を使わないと、女装した男性とか、男装した女性と思われる可能性もないとはいえません。
基本的には-oで終わる単語は男性名詞や形容詞、 -aで終わるものは女性名詞や形容詞なので、例えば人の名前も、最後がoなら男性、aなら女性と考えて大抵はあっています。
名詞の場合は例外もあるので、日本人にとっては覚えるのに苦労しますが、こちらの人は赤ちゃんに言葉を教えていく時に、例えば、「あれは、お月さま(“Luna”)よ」ではなく、「”La Lunaよ」と、全て男性か女性の定冠詞を付けてセットにして教えていくそうです。
女性形にするのか男性形にするのか、いちいち頭の中で考えながらしゃべるのは面倒なので、外国人はごちゃごちゃにして話す人が多いですが、それはネイティブからすると違和感があるようです。

昨今は、ジェンダーとかLGBTという言葉がよく聞かれるようになって、性別を記入する欄も、男性・女性・その他、と3つの選択肢を設けているところも見かけるようになりました。またラテンの女性の女性差別反対意識もはっきりし始めたようで、そういう動きに気を遣って、通常-oで終わるものの男性も女性も差すような一般的な名詞の最後の-oを、わざわざ-aに変えて女性も強調させて演説する政治家を真似た、お笑いビデオも出てきました。ラテンではそろそろ、レディーファーストの習慣もなくなってくるかもしれません。

LGBTであることは、もはや隠すべきものでもなく、むしろ堂々と公表とした方が、人と違うということで羨ましがられるような風潮が、若い世代で見られるようです。うちの息子は、小さな頃から色々なところに連れて歩いたせいかジプシー街道を進みかけており、去年高校2年生の夏休みに、自然資源保護ボランティア活動の国際プログラムに自ら参加して、アフリカのマダガスカルで1ヵ月過ごしました。そのグループには、イギリス、フランス、ドイツなどのヨーロッパの高校生が多かったようですが、最初の自己紹介で、自分は同性愛者であることをちょっと誇らしげに言っていた子が3人もいたそうです。でも全然普通の子たちで、男女に関係なく皆と仲良くしていたとか。

尚今のボゴタ市の市長は女性ですが、同性愛者であることを昔から公言して皆の知るところです。そういえばコロンビアでは何年か前は、運輸大臣(女性)と教育大臣(女性)が恋人同士であることは誰もが知っていましたし、本人たちも公言していました。世の中だんだん変わってきていますが、色々な面で「偏見」というのがなくなっていくのは、良いことだと思います。そのうち、男性名詞・女性名詞とか、男性形・女性形もなくなってくれると、覚えたり使ったりするもの楽になっていいですね。
上の写真は、先日庭の葉っぱで見つけた変わった虫なのですが、よく見ると足が欠けているようです。そういえば、同じ虫を木で見つけた時はロボットのような進み方で木を登っていましたが、葉っぱの虫は殆ど動きませんでした。トカゲのように、足がなくなってもまた生えてくる虫なら良いのですが。。


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