遅めに起きた人の為に、今回はラテン系の国の朝食についてです。
食が豊かなスペイン人に言わせると、イギリス人は一日に3回朝食を摂っているのだとか。それ程イギリスの食事は質素だということを言いたいらしいのですが、逆に、イギリスの朝食は卵やベーコン、ソーセージ、豆などかなりたっぷりしています。
かくいうスペインの朝食はコンチネンタル式で、コーヒーとパンかビスケットだけですが、ただしこれはあくまで寝覚めの一食であり、その後15時頃の昼食までの間の朝10時頃に、軽食を摂ります。この軽食では、砂糖をたっぷりまぶしたチューロスや大きなクロワッサンをカフェオレに浸しながら食べたり、ジャガイモと玉ねぎたっぷりのオリーブ油で湿ったオムレツや、生ハムを挟んだパリパリのバゲットを食べたりして、日本人にとってはこれだけで夕方までもちそうな量です。ジャガイモのオムレツは朝食だけでなく、軽い夕食の定番でもあって、夜になるとあちこちの家から、生卵を皿でフォークで溶くカンカンカンカンという音が、聞こえます。
エクアドルの海岸地方では、料理用の青いバナナを、茹でて潰してボール状に丸めて、中にチーズのかけらを入れて揚げたものを、コーヒーと、パパイヤやマンゴー、パイナップルなど、新鮮なトロピカルフルーツと一緒に食べます。これに、産みたての新鮮な卵の目玉焼きなどがつくこともあって、これを食べると、ああ、今日も一日夕方までのんびり仕事をしよう、という気になります。
チリは、主食のパンがやたら不味く、クロワッサンのようなものはなくて、下の写真のような乾パンのようなパンばかりです。私が住んでいたチリの南部では、朝食にはこのパンにアボガドを潰してペースト状にしたものや、ジャムをつけて食べていました。これに、インスタントコーヒーとチーズがつく程度で、とにかく、昼までお腹が一杯になれば良いというだけの、味気ないものでした。チリは他の中南米諸国と違って、ドイツ系やイギリス系の移民が多いので、食にあまりこだわならい本国の影響を受けているようです。
コーヒーの国コロンビアでは、下の写真のような地方の農園風の宿に泊まると、早朝にメイドがチリンチリンと鈴を鳴らしながら部屋をまわり、ドアを開けると、淹れたてのコーヒーをカップに注いでくれます。寝覚めのコーヒーですね。これをベッドに持ち帰るか、窓辺でゆっくりすすった後、シャワーを浴びて服を着替えて、朝食を摂ります。パンと卵とチーズといった特に特徴のないものですが、寝覚めのコーヒーのお陰で、さあ頑張って仕事をしようという気になります。ただコロンビアでは、昨晩の夕食の残りを利用して作ったスープとかチャーハンのようなものが朝食に出てくることもあります。遅めに起きた休日は、しっかり味が付いたこういう朝食は、とても美味しいです。
メキシコは、まだあまり地方を色々開拓していないのですが、下の素朴なお料理動画を見て覚えた、トルティージャと目玉焼きとハムに緑のサルサソースとクリームをかけたこんな朝食が、作るのも簡単で美味しいです。ただメキシコではトルティージャはご飯やパンのような主食で、普通はパン屋さんのようなトルティージャ屋さんで焼きたてを沢山買うのですが、うちは大家族ではないのでなかなか手が出ません。少量パックの日持ちするトルティージャを時々スーパーで買って作りますが、やっぱり出来立てにはかないませんね。
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