今勤めている会社は朝7時始まりなので、まだ夜明け前の6時に家を出ます。首都に比べると道路はすいていますが、夜勤もある製造業の多い街なので、朝7時始まりのところは多く、ガラガラ、というわけではありません。私は家から会社まで信号が少ない大通りを走るのですが、3車線あって、朝は、真ん中の車線だと時速80㎞くらい、追い越し車線にでると100㎞くらいで走れるくらいの空きぐあいです。急いでいる車は、追い越し車線で120㎞で走っています。
この大通りは空港までずっと続いているのですが、途中、制限時速60㎞の、ショッピングモールやホテルなどが並ぶ界隈があります。ただ朝の時間はすいており、この区域でも60㎞でノロノロ走っているとバンバン追い抜かされるので、80㎞くらいで走ります。自分が時速何キロで走っているかいちいちメーターを見ながら走るわけではなく、他の車に合わせて走っていますが、この界隈では時々60㎞くらいで走っている白い交通取り締まりパトカーを見かけるので、目安になります。
普通スピード違反は、パトカーではなく白バイにつかまるのですが、パトカーをみるとやはり皆ちょっと怯むのか、パトカー周辺はスピードを落とすので、ちょっとした渋滞ができます。それでも、皆朝は急いでいるので、恐る恐るパトカーを追い抜いて、抜いたらまたスピードを出してとんでいきます。私も、前の車と同じように、そうします。皆やってるから、いいよね、という感じです。バックミラーで追い抜いたパトカーをみると、皆に追い越されながら悠々と走っていますが、たぶん、自ら60㎞で走ることで目安になり、大幅なスピード違反をけん制しているのかもしれません。
国道で市外にでると、検問をしているところがあります。検問は、別にやましいことはなくても、え、どうしようと、ちょっとビクッとするのは私だけではないのではないでしょうか。メキシコではあまり検問を見かけませんが、エクアドルでは多分お小遣い稼ぎの警官の検問を、結構な頻度でみかけました。全部の車を停めているわけではないのですが、停められないようにするコツを、エクアドルに住むチリ人から教わったことがあります。
その人は、前方で警察の検問を見かけたら、運転しながら、ダッシュボードの助手席側にある小物入れ(グローブボックス?)で一生懸命何かを探すふりをして、警官も見ず、目も合わさないようにして、その場を走り抜けるそうです。確かに、警官と目を合わせると停められることが多いので、これは私も励行していますが、そもそもスペイン語が分からないだろう東洋人は停めると面倒と思うせいか、停められたことは殆どありません。
外国人だと、理不尽と思われる理由で、反則チケットをきられそうになることがあります。これを回避する私のコツは、あきらかにお小遣い稼ぎだなと思ったら、携帯電話をおもむろに取り出して、その警官の名前を聞き、どこかに電話する振りをします。そうすると、日本大使館に電話して警察本部に連絡が入るのだろうとか思うらしく、逆に警官の方が怯んで、もういいから行け、と言われます。
私は、交通違反は厳密には多分しょっちゅうしていますが、つかまったことはありません。一度だけチリの市外の街道で、制限時速100㎞のところを120㎞以上で走っていて、スピード違反で停められたことはあります。チリは警察が中南米で一番しっかりしているので、上記のようなコツは通用しませんし、他の国のようにお小遣い稼ぎをしているわけではないので、お金を出すそぶりでもみせようものなら、その場で逮捕です。なので、素直に停まって反則きっぷをもらったのですが、制限時速を20㎞以上超えると罰金額が大きくなるためか、その警官は119㎞と記載してくれました。でも運転免許証はしっかりとられたので、後日違反をした場所の警察署にとりにいくため、会社の顧問弁護士に罰金額を確認したら、どこの警察署かと聞かれました。なのでその違反をした場所を伝えたら、「わかった、心配するな」とのこと。別に私は心配していたわけではないのですが、翌日私の免許証を持ってきてくれました。
罰金を立て替え払いしてくれたのかと思って払おうとすると、罰金を払わずに返してもらったとのこと。なんでも、そこの警察署長さんとは大学の同級生で知り合いらしく、外国人の東洋人の女性だから勘弁してあげなよ、ということで、勿論賄賂も払わずに免許証を返してもらったそうです。え?チリでそんなことアリ?と思いましたが、チリでは汚職はない、と常日頃自慢しているチリ人の友人に見せるため、通常は免許証と引き換えにとられる反則切符を、記念にとっておきました。
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