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中南米と肥満


メキシコは中南米諸国でも世界でも、肥満度が高い国となっています。肥満は糖尿病や心血管疾患を引き起こすので、コロナによる死亡率が高いのは、この為でしょうか。確かに、米国に多いクジラのような巨体とまではいかなくても、小柄なせいかコロコロした人が多い印象です。ディズニー映画のウォーリー(WALL-E)に出てくる、手足が短い太っちょの未来人のような感じです。

 

WHOの2016年のデータでは、成人のBMI値30以上の割合が、日本は男性4.8%、女性3.7%なのに対し、メキシコは男性24.3%、女性32.8%となっています。また日本で肥満と判定される25以上の割合は、日本は男性32.5%(そんなにいるかな、という気もしますが)、女性が21.8%なのに対し、メキシコは男性63.6%、女性66.0%となっています。中南米ではチリも高くメキシコとほぼ同じ水準となっていますが、男性はアルゼンチンの方が高いです。

尚BMI値は、体重 (kg) ÷身長 (m) ÷身長 (m) です。

 

中南米全体的にいえますが、肥満はむしろ低所得層に多くなっています。最近ヘルシーな食品が流行っていますが、低カロリーとか糖分や油脂分を特別に抑えた加工食品や、低脂肪の肉は値段が高いので、そういうものを常食するのは中~高所得層です。また低所得層は食費をあまりかけられないので、安い炭水化物系や脂身の多い肉でお腹を満たします。運動も、中~高所得層はお洒落にジョギングしたり、ジムに通ったりして肥満を防ぐ人が多いですが、低所得層はそんな暇もお金もありません。インドでは肥満は金持ちの象徴と聞いたことがありますが、こちらでは肥満はむしろ貧乏の象徴とさえいえます。これは中南米だけなく、世界の他の開発途上国地域でも同じではないでしょうか。

 

肥満の原因の一つとして食生活の変化があげられますが、中南米の人口の80%が住むアルゼンチン、チリ、ブラジル、コロンビア、メキシコ、ペルー、ベネズエラで米州保健機構が行った調査によると、中南米でのジャンクフードの販売量が、過去10年間で17.5%増加したようです。メキシコでも特に気になるのは、ポテトチップのようなスナック菓子とコカ・コーラの販売量の多さです。販売量が多いということは消費量も多いのでしょう。コカ・コーラは、日本のお茶のように毎日飲んでいる印象で、子供の健康には絶対に良くないと思います。 

これを憂慮するのは私だけではないようで、特に子供の肥満を食い止めるため、先週メキシコ南部のオアハカ州で、糖分の高い飲料やジャンクフードの子供への販売禁止令が、州議会で承認されました。他の州や連邦政府も同じような措置を検討しているので、いずれ全国的に禁止になるのではないでしょうか。子供に直接販売するのが禁止されるだけで、親が買って子供に与えるのは自由ですから、肥満を親の責任とする措置ともいえます。メキシコでは、またチリなどでも、糖分や油脂分の多い加工スナックへのラベル表示措置がとられていますが、いちいちラベルの内容を理解・確認・比較して買う人はあまりおらず、効果がないと判断されての禁止措置のようです。

禁止対象となる製品は、基準値以上の糖分や油脂を含む製品で、具体的な規制対象製品は別途指定されるようです。尚この条例がだされるオアハカ州は、メキシコが原産のカカオの産地で、チョコレートやチョコレート飲料(ココア=上の写真)が有名ですが、このオアハカ産のチョコレートは、規制対象外となるようです。が、砂糖を控えめにすれば、カカオ分の多いチョコレートは、ジャンクフードやジュース・コーラよりずっとヘルシーなのではないでしょうか。


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