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昔の自分に会いに行く

NYに住む私と同じ年代の、シングルママでシンプルに暮らしている日本人女性のYouTubeチャンネルが最近お気に入りで、投稿されるたびに視聴しているのですが、その方が、今一番会ってみたい人を紹介していました。それは、「昔の小さかった頃の自分」だそうです。会って、将来の自分だと言ったらがっかりするかもしれないけれど、夢いっぱいだった少女の自分を抱きしめてあげたい、みたいなことが書かれていて、ちょっぴり涙ぐんでしまいました。

昔の小さかった頃の自分というのは、いくつになっても、童心に返って何かをするときにふっと出てきます。例えば恐竜展で、肩車している小さな息子よりも興奮して、「ほら、すごい、すごいよ」とか言っている若いパパなんかですね。

でも普通は、年を重ねるごとに、知恵や色々な習慣や考え方なんかが、服を何枚も重ねるように、小さい自分をどんどん覆って大人になっていくので、自分の中にいる無垢な自分が見えなくなってしまうか、意識の外にいるようです。

 

昨晩はとても強い風が吹いていて、今朝庭に出てみたら「一夜明けて」のところで書いた花が、また沢山落ちていました。その前から落ちていた花はもう茶色く変色して落ち葉のようになっていたのですが、少しまだ色がきれいで光沢もある花を拾ってみました。こんな花です。

花というか、実を覆っている殻のようですが、紙風船の紙のように薄くて、まだ木の上の方で鈴なりになっている花は、風が吹くとカサカサと鳴ります。落ちた花を踏むと、クシャっと落ち葉よりも繊細な音で崩れていくのですが、そうやって庭で花を拾ったり踏んだりしていて、幼かった頃の自分を思い出しました。あら、会うのは久しぶりね、なんて思いながら青空を見上げたら、白い雲が沢山浮いていて、小さな私がやっぱり小さな妹と一緒に寝転がって、形が色々変わる雲を見ながら、あれは犬のかたち、あれは怪獣、とかお喋りしていた、時間がゆっくり流れていた日々も思い出しました。昔の私は、どこかに行ってしまったんじゃなくて、ちゃんと私の中にいてくれたんですね。 

もう少し大きくなった私は、カナダのプリンスエドワード島を舞台にした「赤毛のアン」の本を夢中で読んでいました。何巻もある本の文字でイメージを膨らまして、赤毛のアンの生活に憧れて、いつか海外に住むんだと思うようになったので、今の私の原点は赤毛のアンかもしれません。

少し寒くなった庭で、風に吹かれながら落ちた花をカサカサ踏んでいたら、カナダじゃなくてメキシコだけど、小さかった私が憧れていた生活に近いんじゃない?と思って、くすっと微笑んでしまいました。

 

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