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リファレンスチェック


今年の3月初めくらいに、コロンビア時代の同僚で、1年以上前から奥さんと一緒に米国のシカゴに住んでいる求職活動中のコロンビア人から、履歴書に、組織図上では上司だった私を、リファレンス先に記載して良いかと連絡がありました。

彼が、私も勤めていたコロンビアの日本企業を辞めたのは、奥さんがシカゴの大学で仕事を得て一緒に行くことを決めたからで、仕事ぶりは全く問題なかったので、快諾しました。

彼は最初の1年くらいはシカゴで、働く奥さんのサポートも兼ねて主夫生活をしていましたが、今年に入って本格的に就職活動を始めたようです。

 

こういうお願いをされたのは初めてではありませんが、彼のように事前に了承を得ないで、どうせ日本人に問い合わせすることはないだろうと勝手に私の名前を入れていた人は、いるかもしれません。

実際、応募者に関する問い合わせを受けたことは、一度もありませんでした。

 

が、先週シカゴのパブリック・ヘルス機関からメールがあって、リファレンス先として私が入っているので、彼との仕事上の関係や、彼の職務内容、長所短所、働きぶり、コミュニケーションスキル、対人関係、出勤率や遅刻などについて教えて欲しいと依頼されました。

 

それで各事項説明して、人柄やパフォーマンスは全く問題ないので推薦できますと返事をしたのですが、あまり長所ばかり連ねるのも信憑性を欠くかもしれないと思い、「敢えて欠点を言うとすれば、仕事に熱が入りすぎて、達成したことや今後の戦略などをとうとうと語るので、帰宅直前に彼に仕事のことを聞くのは止めた方がよいでしょう。」と付け加えておきました。

前の会社で彼を採用した際の面接では、ちょうど、後はホテルに帰って寝るだけという暇な出張者と一緒に面接したせいもありますが、延々2時間これまでの職務や実績を語られましたし、「私、もうそろそろ帰るけど」と前置きしたにも関わらず、「どお?うまく行ってる?」と聞いたばかりに、そこから1時間近く帰宅できなくなったことも何度かあるからです。

 

返事を入れてから彼に、「XXXからリファレンス依頼されたから、返事しといたわよ」と連絡したら、「〇〇の方も連絡なかった?」と聞かれました。

じつはXXXは本命ではなくパートタイムのつなぎの仕事の応募で、○○の方が本命のようです。

 

それから数日後に、今度は○○の方からメールで連絡がありました。

彼のことを聞きたいので、今日か明日に電話しても良いかとのこと。

メキシコまで電話するなんて、米国ではやはりリファレンスチェックが浸透しているのでしょうか。

今度は事前に彼に話を聞いておきたかったので、今日は忙しいので明日にして下さいと、取り敢えず返事を入れました。

早速彼に伝えると、どうやら最終選考に入っているようで、彼が指定した別のリファレンス先には、何日か前にコンタクトがあったとのこと。

すると、私のリファレンスは、より最終決定に近いのではないか、これは責任重大と、緊張です。

彼が、募集要項と自分をアピールした応募レターを送ってくれたので、早速それを見て、どのように彼をアピールしてあげれば採用につながるかを、一生懸命考えました。まるで自分の就職活動です。

 

応募先は大学のラボラトリーを管理するマネージャー職で、電話をしてくる予定の女性の肩書にはPhDがついていたので、博士号の教授のようです。

 

翌日指定の時間に、ちょっと緊張して電話を待ったのですがなかなか入らず、20分ほど過ぎて、「電話がつながらない」とメールが入りました。

国際電話のアクセスコードは011でいいのか、と聞いてくるのですが、そんなのメキシコにいる私が知るわけありません。

さすが米国ですから、国際電話なんて、自分の国に電話する移民労働者くらいしかしないのでしょう。

ビジネスマンではないので、そういうのには疎いのかもしれません。

他に手段はないかと聞くので、私のSkypeアカウントとWhatsApp通話の番号を教えたのですが、どちらもつながらないとまたメールがきます。

仕方なく、記載されていた彼女のSkypeアカウントにこちらからコールして、やっと通じました。

 

早速、一生懸命考えた彼のアピールポイントや、彼がどのように募集している職務に貢献できるかを伝え、参考になりましたと感謝されたのですが、あまりに準備しすぎた回答で、逆に、彼から吹き込まれたというか依頼された内容を伝えたように思われやしないかと、今度は心配になりました。

電話の後でそれを彼に言ったら、「そんなことないよ、心配しなくてもいいよ~。有難う」と言われましたが、自分の就活以上に、選考結果がとても気になります。

 

ちなみに彼から送ってもらっていた募集要項には、職責が箇条書きで33点も並べられていたのですが、これって普通なのでしょうか。

恐らく前任者もしくはアシスタントが、担当部署の日常業務を書き出したものを記載したのではないかと思います。

秘書やアシスタント職だったら、スムーズな引継ぎの為にも、日々やらなければならないことを全てリストアップするのが良いと思いますが、マネージャー職など職級が上の場合は、日常業務や組織の適切な運営と、計画作成、人材育成、予実管理の内容を少し具体的に記載して、やり方はマネージャーに任せるくらいの方がいいのではないのかなぁと思います。

社長の職責だったら、更にシンプルなはずですし。

 

尚本命でないXXの方は採用されて、つなぎに土曜日だけパートタイムで働くそうです。

**

上の写真は、内容とは関係ありませんが、私が住む街で毎年開催される国際気球フェスティバルで、近所の空き地に不時着して付近の住民が見に集まった気球です。

息子が通っている学校からは、こんな風に見えました。


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